【雑記】~先展開と後展開 後編~
前回記事の続きです。
先展開(初手ダイマックス)は弱いのか?という話。
初手ダイマックスといって私が思い出すのは、環境初期のドラパルト初手ダイマックス戦法である。
環境初期は、ダイマックスを切るタイミングも皆手探りで、環境で一番素早く数値も高いドラパルトを初手出ししてダイマックスを切り、初手から数的有利を取りに行く立ち回りが多く見られた。この頃はタスキ、スカーフといった持ち物が大半であり、後に特殊型や弱点保険を持った型が現れた。今では、初手でダイマックスを切ってくるドラパルトは多くが弱点保険なイメージがある。(もちろん展開次第でほかの持ち物も考えられる)。
ただ私は、初手ドラパルトでダイマックスを切る展開は強いとは思えない。ドラパルトはダイホロウという技を覚えるため、物理受けの多くをダイホロウ二発で落とす力がある。また、ダイドラグーンで攻撃を下げたり、ダイスチルで自らの防御を上げたり、といった形で、打ち合いに対してはめっぽう強い性能を持っている。しかし、不一致のダイスチル、ダイジェット以外で自らの能力を上げていくことができず、ダイマックスして一体持っていく程度の戦果しか挙げられなかった場合、相手の温存しているダイマックスにより後発から簡単に逆転されてしまうイメージがある。また、死にだしミミッキュやギルガルドのかげうちで縛られてしまうことが多くあったり、ラムのみを持たない場合状態異常耐性もないので、あくびで簡単に流されてしまうといった点もある。弱点保険ドラパルトも、発動させられれば強いが、相手依存の持ち物のために安定しないといった弱さがある。
ではどのような場合に初手ダイマックスが強いのか。一つは、初手ダイマックスで数的有利を取った後、後発に対面性能の高いポケモンを並べ、相手の後発ダイマックスに数的有利をとられない選出をできるときである。このような選出を作れれば、初手で取ったアドバンテージを維持したまま、最後まで逃げ切り、勝つことができる。某有名強者の構築の、弱点保険ドラパルト+ミミッキュ+タスキパルシェンの並びがまさにこれであり、この並びは初手ダイマックス展開の一つの理想形だと感じた。
二つ目は、あらかじめ能力を上げた状態でダイマックスを切り、そのまま全抜きを狙っていく展開である。(よく考えたらこれは「初手」とは言えない気がするが、一匹目でダイマックスを切る、ということで許していただきたい。)
先に上げた某有名強者の構築では、ラム剣の舞ホルードが採用されていた。弱点保険ドラパルトを初手に投げてしまうと、あくびカバルドンなどに簡単に流されてしまう。しかし、ドラパルトが誘うカバルドンに対してラムのみを盾に剣の舞を積み、ダイジェットを積んでいくことで、A+2、S+1のダイマックスホルードが誕生する。このポケモンが残れば、相手にダイマックス権が残っていても、簡単に逆転されることはないし、場合によってはそのまま3タテしていく展開も考えられる。
このような展開を考えると、後展開を狙っていく場合、先展開されてそのまま押し切られないように、ダイマックスターンを稼げるような形にしたり、初手の積み技を許さないように気を付けて展開を作っていくことが求められる。竜の舞はともかく、剣の舞やわるだくみは積まれるとそのままゲームエンドまで持っていかれる可能性があるので、これらの技を覚えているポケモンは予め把握しておきたい。
とりあえず、剣の舞+ラム+ダイジェットは強いな~ってのと、先に出した某有名強者の構築の完成度は半端ないな~という話でした。
【雑記】カバルドンについて ~先展開と後展開~
シーズン1の構築における要であるこいつについて。
構築記事でも触れたが、そもそもこいつは環境初期には「弱い」という評価だった。7世代までは受けポケとしてトップクラスの評価を受けていたポケモンであったが、8世代においてはお得意様であったミミッキュの剣の舞に対し、あくびを打って流しに行っても、ダイマックス→ダイフェアリーの流れで、あくびを無効にしながら2発で落とされてしまう。よってミミッキュに対し対面ですら勝てるか怪しくなってしまった。
しかしここで改めて考えてみると、先ほどの流れではミミッキュがダイマックスをし、2ターンかけてカバルドンを落とすことになる。それに対し、カバルドンはダイマックスを切っていない。すなわち、カバルドンを落とされる代わりに、相手のダイマックスターンを2ターン消費させたうえに、ダイマックス権を温存することができているわけである。これがカバルドンの「ダイマックスを切らせる性質」であり、残り2匹のポケモンと温存しているダイマックスターンを用いて逆転していくのが前期の構築の一つの勝ち筋であった。
このような展開を嫌えば、相手はカバルドンをダイマックスを切らずに一発で落とそうとしてくるかもしれない。しかし、このようなポケモンは非常に限られており、ヒヒダルマ、ウオノラゴン、眼鏡ウオッシュロトム、その他眼鏡をもった水タイプくらいなものである。そして、これらのポケモンは初手に出てきやすいため、こちらもそれに合わせてカバルドンではなくエルフーンやニダンギルを初手に合わせることで、有利な展開を作ることができる。
さて、先ほどの話に戻る。相手に先にダイマックスを切らせ、こちらは後からダイマックスして逆転を狙っていく、という話だったが、それでは先にダイマックスを切る展開は弱いのだろうか?つまり、先展開は弱く、後展開は強いのだろうか?これは、NOである。
疲れたので続きはまた後日。
【剣盾S1シングル使用構築】カバギャラ積み展開【最終586位】
初めての構築記事です。よろしくお願いします。
【パーティコンセプト】
ダイジェットと自信過剰、ダイストリームで火力を上げながら殴れるギャラドスがわかりやすく強いと思ったので、こいつを通すことを第一に考えた。
ギャラドスで積むうえで起点を作れるカバルドンを採用。ギャラドスの弱点である岩、電気に耐性があるため相性もいい。
カバルドンが相手にダイマックスを切らせやすい性質を持つが、そのまま展開されると切り返すことが困難になるので、ダイマックスターンを稼ぎつつ切り返せるミミッキュを採用。
残りのポケモンはカバルドンで展開するのが困難な相手に対して耐性がつくようなポケモンを考えた。
ヒヒダルマ、アーマーガアに対して強そうだったので輝石ニダンギルを採用。
ウォッシュロトムやサザンドラに強く出れ、ウオノラゴンやパッチラゴンにも強く出れるためエルフーンを採用。
最後にギャラドス以外の勝ち筋がほしかったのでカビゴンを採用し、構築が完成した。
【単体考察】
性格 陽気
特性 自信過剰
努力値 AS252H4
持ち物 ラムのみ
技 滝登り・飛び跳ねる・挑発・竜の舞
パーティーコンセプトの一匹。対策はされていたが、その分相手の選出もわかりやすいし、火力・素早さを上げながら殴れるのでとても強かった。火力も素早さも切れないのでぶっぱ確定。状態異常が怖いし、カバルドンに強気になれるのでラムのみを持たせた。これによりドヒドイデ、ヌオーの熱湯におびえずにすむ。
ダイジェットになる飛び跳ねるは確定。通りがよく、雨にして火力を上げられる滝登りも確定だろう。竜の舞はカバルドンで作った起点を活かして積めるし、ダイウォールになる技でもあるので確定でよい。
挑発はアーマーガア、サニーゴや受けポケをカモるために入れた。使用機会もそれなりで、受け構築にはかなり勝てたので良かったが、アーマーガアの型が多様化していたため挑発を打ったらダイジェットで突破される、なんてこともあった。挑発の枠は技範囲を広げるためのパワーウィップ、地震に変えるのも一考であった。
性格 わんぱく
特性 すなおこし
努力値 H252B108D148
持ち物 メンタルハーブ
ギャラドスの起点を作るためのポケモンで、多くの対戦で選出した。ミミッキュに突破されるなど、弱いという話が多かったが、裏を返せばダイマックスを切らないと突破できないポケモンであるため、裏で切り返すことが出来るならばダイマックス切らせ得にできる、そんなポケモンである。調整は某記事のパクリであるが、特殊にも最悪突っ張れたりと使いやすい配分であった。
持ち物のメンタルハーブは、シーズン中盤は最強アイテムだと思っていた。しかし、終盤は挑発を多く打ってくるアーマーガアがほぼラムのみであり、意味のないアイテムと化していた。回復木の実を持たせた方が良かったと思う。
技構成はこれで完結している。ダイマックスポケモンを流せる欠伸、流した時にダメージを蓄積させられるステルスロック。吠えるは、トゲキッスやサザンドラ、ギャラドスなど、ラムが多く積まれると困るポケモンを流すのに役立った。地震を岩石封じに変えるのはあるかもしれないが、ある程度火力を出せるポケモンなので一致高打点を切るのはあまりよろしくないと思っている。
吠えるは無論吹き飛ばしの方が良い。今シーズンは困った場面は一度もなかったが。
性格 意地っ張り
特性 ばけのかわ
努力値 HA252D4
持ち物 リリバのみ
技 じゃれつく・かげうち・トリックルーム・のろい
相手のダイマックスターンを切らすポケモンであり、今作数少ない自然と先制技を採用できるポケモンでもある。型破り以外のポケモンに出すだけでターンを2ターン稼げ、ダイジェットをトリックルームで返せる、非常に便利なポケモンであった。持ち物はサザンドラのダイスチルを考えてリリバのみ。発動機会は少なかったが、何を持たせても仕事するポケモンなのでこれで良かったと思う。
技構成はこれで完結しているが、じゃれつくをウッドハンマーに変えるのも一考。ヌオー、ロトム、トリトドン、ミロカロスへの打点になる代わりにサザンドラに薄くなる。
性格 意地っ張り
特性 ノーガード
努力値 H188A236D84
持ち物 しんかのきせき
技 かげうち・シャドークロー・聖なる剣・剣の舞
初手のヒヒダルマに出し勝てるポケモンとして採用。タスキ物理ギルガルドが流行っていたが、それを採用するくらいなら打ち合えるこいつの方が強いと思った。剣の舞を持っているため能力を上げられるし、持ち前の物理耐久を活かして物理相手にはめっぽう強く出れるので、自身が勝ち筋になれる。また、アーマーガアに下から聖なる剣を連打できるため、甘えたはねやすめを許さない。
調整はサザンドラのあくのはどうを耐えるくらいまでDに振って、あとはHA。火力が足りないので仕方ない。
技構成はこれでほぼ完結であり、シャドークローとアイアンヘッドの選択だと思うが、ギャラドスと打ち合うことを考えてシャドークローを選択した。ジャイロボールもあるが、サニーゴの上を取れるため最遅にはしたくないと思った。
悲しいことにハチマキダルマのフレアドライブを耐えない。アーマーガアがHBなら積まないと聖なる剣で2発で落とせない。いろいろと残念なポケモンであった。
ちゃっかり輝石がなくとも物理はギルガルドより固いので、輝石以外の可能性もあるかもしれない。僕はシーズン2はギルガルドを使います。
性格 臆病
特性 いたずらごころ
努力値 H252B140S116
持ち物 たべのこし
技 ムーンフォース・やどりきのたね・身代わり・コットンガード
コンセプトに書いた通り、カバルドンに対して強いポケモンを意識しての採用であったが、想定していたより何倍も強いポケモンだった。時にドリュウズに勝ったりと、コットンガードを積めば物理相手にはまず勝てる。身代わりでダイマックスターンを切らせる。いつのまにかその信頼は確固たるものになっており、カバルドン、ギャラドスの次に多く選出したポケモンである。スカーフでないサザンドラの上を取っているのもえらい。ヒートロトムのオバヒを身代わりで透かしながら粘れたり、特殊相手もムンフォでCを下げられることからかなり戦えた。
技構成は個人的にはこれで完結。7世代まではコットンガードの枠にアンコールを採用することが多かったが、ダイマックスに効かないのは弱すぎる。コットンガードは詰め筋にもなれる最強技であった。
すりぬけドラパルトを許すな。
⑥カビゴン
性格 慎重
特性 あついしぼう
努力値 H228B252D28
持ち物 カゴのみ
一貫気味の氷の一環を切れて、太い勝ち筋になれるポケモン。ギャラドスを出しにくい、水、氷などの多いパーティに対し選出した。積んだ後眠ってダイマックスする動きがシンプルに強い。ミミッキュのトリックルームからの勝ち筋になれる。
今作では高打点の格闘技が飛んでくる場面が少ないので、このポケモンはあまりに強い。アーマーガアに勝てないのが玉にきず。
努力値の調整意図は特にはなく、純粋に硬くしたかったためこの配分。
2ウエポンにアイアンヘッド、アームハンマーを採用しているのは、ミミッキュ、ドリュウズを意識しているのに加え、殴りながら積めるからである。選出機会は少なかったが、選出した試合では大いに活躍した。
【立ち回りについて】
基本的にはカバルドン(起点作り)+ギャラドスorカビゴン(エース)+エルフorミミorニダンギル(サポート)
と選出し、カバルドンで起点を作り、ギャラドスorカビゴンを通す動きを心がけた。カバルドンの先発は読まれるので、高ランク帯では後発にカバルドンを添えるようにこころがけた。
【あと語り】
アーマーガアに振り回されるシーズンだった。シーズン2ももしかしたらそうなるかもしれない。
サブROMも惜しくも最終3ケタ順位を逃すくらいの戦績だったし、時間があればもう少し伸ばせた感じもあった。(元旦は時間を取れず+メンタル的に潜るのをやめてしまった。)シーズン2はもっと上を目指していきたい。
なにか質問があればツイッターまで。
@matecha_poke